DDR5が3倍に!マザボが売れない理由5つ
「そろそろ新しく自作PCを組みたい」
「Arrow Lake や次世代Ryzenでゲーム環境を一新したい」
こう考えながらも、パーツ価格を見て固まった人が多いと思います。
DDR5メモリの価格が、わずか1年ほどで約3倍に跳ね上がり、特に安価な製品が市場から消えました。
結果として、
本来なら年末商戦で盛り上がるはずのマザーボード販売台数が前年から40〜50%減と言われるほど、自作PC市場は冷え込んでいます。
この記事では、
なぜ「メモリの値上がり」だけで、ここまでマザーボードが売れなくなったのかを整理します。
あわせて、これから自作PCを検討する人が、どう動くべきかも解説します。
結論
マザーボードが売れない最大の理由は、DDR5が高すぎて「新規自作の入口」が完全に詰まっているからです。
最新プラットフォームはDDR5専用になり、
DDR4を流用できない状況で、
・DDR5メモリ価格が約3倍
・安価なモデルの在庫消滅
という二重のハードルが発生しました。
その結果、
- 新しく自作PCを組みたい人は、メモリ代だけで予算オーバー
- すでにDDR5環境を持つユーザーは、まだマザー交換時期ではない
- GPUなど他パーツも値上がりして総額がさらに膨らむ
という構図になり、マザーボード単体の値下げやセット割では、需要を動かせなくなっています。
今は、
「DDR5が落ち着くまで様子見する層」と
「どうしても今組みたい層」
に市場が分かれていて、自作PC全体のボリュームが細くなった状態です。
この記事を読むメリット
この記事を読むと、次のポイントが整理できます。
- なぜDDR5の高騰がマザーボード販売半減という事態にまで発展したのか分かる
- メーカーやショップが行うセット割キャンペーンの狙いが理解できる
- 今、自作PCを組もうとしている場合、
「動くべき人」と「待った方がいい人」を判断しやすくなる - 今後のCPU・GPU・メモリ価格の流れをイメージしやすくなる
自作PC初心者でも分かるように、専門用語はかみ砕いて説明します。
DDR5が3倍でマザボが売れない5つの要因
理由1:DDR5価格が約3倍になり「入口」が崩壊した
まず最初の理由は、DDR5メモリの価格そのものが高すぎることです。
1年前と比べて、
同じ容量のDDR5メモリが約3倍の価格になったと言われています。
特に、初心者が最初に選びやすい「安価な32GBキット」から市場から消え、
最低購入価格のラインが大きく切り上がりました。
自作PCの予算内訳で、
本来は「メモリは中堅グレードでコスパ重視」という組み方が王道でした。
現在は、メモリだけで数万円が吹き飛ぶケースも多く、
プラットフォーム移行のための初期コストが一気に跳ね上がっています。
理由2:最新CPUが「DDR5専用」でDDR4が流用できない
二つ目の理由は、最新CPUがDDR5専用になったことです。
- Intel Arrow Lake 世代
- AMDの次世代Ryzenシリーズ
こうした新しいCPUは、DDR5メモリのみ対応のプラットフォームになっています。
過去の世代では、
「とりあえず手持ちのDDR4を流用して、あとからメモリを増設する」
という妥協案が使えました。
しかし、最新世代ではその手段が完全に封じられました。
結果として、
- 新CPU + 新マザー
- さらに高騰中のDDR5を新たに購入
という「フルセット買い」が必須になり、
マザーボードだけを買っても意味がない状態になっています。
理由3:既存DDR5ユーザーはまだ買い替え時期ではない
三つ目の理由は、すでにDDR5環境を持つユーザーの買い替えサイクルです。
初期のDDR5世代で、すでにマザーとメモリを揃えたユーザーは、
まだマザーボードを交換するタイミングに達していないケースが多いです。
- 動作に大きな不満がない
- GPUを先に買い替えた方が体感が上がる
- DDR5メモリもまだ再利用できる
このような状況で、
「あえて今、マザーボードだけを買い換える理由」が弱いのが現実です。
新規ユーザーはメモリ価格で足踏みし、
既存ユーザーはまだ買い替えない。
その結果、マザーボードの需要がごっそり抜けています。
理由4:GPUなど他パーツも値上がりして総額が重い
四つ目の理由は、メモリ以外のパーツも高くなっていることです。
グラフィックカードは、
GDDR6やGDDR7など、より高性能なメモリを搭載する流れが加速していて、
こちらも値上がり傾向が続いています。
- DDR5メモリが高い
- GPUも高い
- 電源ユニットやケースも地味に値上がり
こうした要素が積み重なり、
「フル構成で組むと、予算が簡単に数十万円に到達する」という状況になりました。
メモリ周りだけで予算が圧迫されるため、
他パーツをケチらざるを得なくなり、
パフォーマンスバランスも崩れます。
結果的に、
「今は自作の時期が悪い」と感じるユーザーが増えています。
理由5:セット割や投げ売りでも「メモリ問題」が解決しない
五つ目の理由は、メーカーの施策がメモリ問題を根本的に解決できていないことです。
各社は、売上減を受けて次のようなキャンペーンを打ち始めています。
- CPU + マザーボードのセット割引
- Bシリーズマザーとメモリをまとめたバンドル企画
- ゲーミングマザーボードのポイント還元
しかし、ユーザー目線で計算すると、
「マザーがタダ同然になっても、
メモリだけで予算オーバーになる」
というケースが増えています。
マザーボードやCPUの値下げだけでは、
ボトルネックになっているDDR5メモリの異常な高騰を打ち消せないという構造です。
そのため、
セット割が出ても「様子見モード」から抜け出せない人が多い状況です。
ネットで飛び交うユーザーの声
実際のユーザーの反応を、イメージしやすい形で整理します。
- 「DDR5が高すぎて笑えない。これじゃ予算オーバーで組めない」
- 「メモリだけで数万円飛ぶとか、どんな富豪の遊び?」
- 「安いメモリから消えていくのが一番きつい。選択肢がない」
- 「マザボとCPUだけ安くなっても意味ない。どうせDDR5が必要」
- 「DDR4で粘れる人は正直ラッキー。今組む人は地獄」
- 「グラボも値上がりしているのに、メモリまで上がったら手が出ない」
- 「結局DDR5が下がらないと何も始まらない。しばらく静観するしかない」
このような声から分かるのは、
- ユーザーはマザーボード自体が高いから買えないわけではない
- 実際には、メモリ + GPU を含めた「総額」で判断している
という点です。
マザーボードの販売台数が半減している背景には、
単純な不景気だけでなく、
プラットフォーム設計と価格構造のミスマッチが存在します。
今、自作PCユーザーが取るべきスタンス
最後に、自作PCを考えている人向けに、現実的なスタンスをまとめます。
1. 「絶対に今組みたい人」以外は無理に動かない
仕事でどうしても必要なケースや、
検証用マシンが必須の人以外は、
「今はフル新調のタイミングとしては厳しい局面」だと割り切った方が無難です。
メモリ・GPU・その他パーツがそろって値上がりしている局面で、
焦って組むとコスパが大きく崩れます。
2. すでにDDR4環境があるなら「延命」が合理的
今、DDR4マシンがまだ現役で動いているなら、
- SSDを増設して体感速度を底上げ
- GPUだけを更新してゲーム性能をアップ
- メモリをDDR4の範囲で増設
といった延命策の方が費用対効果が高い場面が多いです。
「DDR5が落ち着いたタイミングで、
CPU・マザー・メモリをまとめて移行する」
という長期プランを描いた方が、後悔しにくい選択になります。
3. どうしても今DDR5に行くなら「情報戦」に勝つ
どうしても最新プラットフォームで組みたい場合は、
- セット割キャンペーンの内容を細かく比較
- メモリ価格の推移をショップや価格比較サイトでチェック
- 32GBではなく16GBスタートで様子を見る選択肢を検討
など、情報を集めて「少しでも安く組む工夫」が欠かせません。
マザーボードやCPUの投げ売りが始まったときに、
「メモリを先に確保しておく」
といった順番を工夫する方法もあります。
まとめ:DDR5が下がらない限り、本当の意味での復活は来ない
DDR5メモリが約3倍に高騰した結果、
マザーボード販売が半減し、
自作PC市場全体が冷え込んでいます。
マザーボードが売れない理由は、マザーボードの魅力不足ではありません。
必須パーツであるDDR5メモリの価格が、
自作PCの入口を塞いでいることが本質です。
今後、
- メモリ価格の落ち着き
- メーカーのバンドル戦略の変化
- 新世代CPUの実売価格
このあたりがどう動くかで、
自作PC市場の勢いは大きく変わります。
これから自作PCを検討している人は、
「今は組むべきか」「しばらく様子を見るか」を、
今回の5つの理由を踏まえながら、冷静に判断してください。

