中国製GPUついに実用域?RTX4060級の衝撃3点
中国発のGPUが、ついに「実用レベル」に到達しました。
これまでゲーミングGPU市場は、NVIDIAとAMDの独壇場でした。中国メーカーは存在しても、性能や安定性の面で選択肢にならなかったのが現実です。
しかし状況が変わり始めています。
中国の新興メーカーリジュアンテック(Lisuan Technology)が発表した「G100シリーズ」、その中核モデル7G106が、GeForce RTX4060相当の性能をうたって登場しました。
中国製GPUが世界のミドルクラスに到達した例は、これまでほとんどありません。
しかも今回のGPUは、Windows on ARM対応のディスクリートGPUという、誰も踏み込んでいない領域にまで手を伸ばしています。
本記事では、中国製GPUが「実用域」に達したと断定できる理由を、衝撃的な3つのポイントに絞って解説します。
結論
結論から言います。
リジュアンテックのG100シリーズ(7G106)は、中国製GPUとして初めてRTX4060級の性能に到達した可能性があります。
これは、約2年半前に登場したNVIDIA製ミドルレンジGPUに追いついたことを意味します。
制裁下という厳しい環境で、この水準に到達した事実は無視できません。
さらに、G100シリーズは世界初のWindows on ARM対応ディスクリートGPUになる可能性があります。
NVIDIAやAMDが未対応の領域を、中国メーカーが先に切り開いた点は衝撃的です。
性能、機能、戦略の3点で、中国製GPUは「実験段階」を終え、「実用段階」に入りました。
この記事を読むメリット
- 中国製GPUがRTX4060級に到達した意味が分かる
- Windows on ARM対応GPUという新しい流れを理解できる
- 今後のGPU市場とゲーマーへの影響を整理できる
ライトゲーマーや自作PCに興味がある人ほど、今後の判断材料になります。
理由①:中国製GPUが実用域に達した背景
中国製GPUがここまで性能を引き上げた最大の理由は、地政学リスクによる強制的な自立です。
2020年以降、対中半導体制裁が強化されました。
NVIDIAやAMDの先端GPUは、安定的に調達できません。
この状況で中国に残された選択肢は一つです。
自国でGPUを作ること。
リジュアンテックのG100シリーズは、まさにこの流れの中で生まれました。
「最新でなくてもいい」「ハイエンドでなくてもいい」
まずは国内で安定供給できる実用GPUを持つことが最優先だったのです。
その結果、狙いは最初から明確でした。
NVIDIAの60番台クラス=ミドルレンジ。
中国にとって重要なのは、ベンチマークの頂点ではありません。
国内市場を支えられる現実的な性能です。
理由②:製造技術はすでに世界水準に近い
G100シリーズは、TSMCの6nm(N6)プロセスを採用しています。
設計は中国、製造は台湾。
この構図により、ハードウェアの土台は世界水準に達しました。
つまり、
「中国製だから性能が出ない」という時代は、すでに終わっています。
問題は設計思想とソフトウェアでした。
そこでリジュアンテックは、独自アーキテクチャを新規に開発し、ミドルクラスに最適化しました。
ハイエンドを狙わなかった判断は正解です。
Intel Arcが示した通り、いきなり最上位を狙うと失敗します。
中国製GPUは、現実的な着地点を正確に選びました。
理由③:性能以外の「戦略的価値」が極めて高い
G100シリーズの本当の価値は、性能表だけでは測れません。
最大の特徴は、
Windows on ARM対応ディスクリートGPUである点です。
ARMベースCPUと組み合わせ、
Windows 11 ARM版で3DMarkを動作させるデモが公開されました。
dxdiagでもDirectX12対応が確認されています。
これはNVIDIAやAMDが未対応の分野です。
性能競争とは別の土俵で、
中国メーカーは先にゴールテープを切りました。
具体例①:G100(7G106)の主なスペック
実際の仕様を整理します。
- プロセス:TSMC 6nm(N6)
- メモリ:12GB GDDR6(192bit)
- テクスチャユニット:192基
- ROP:96基
- PCI Express 4.0 x16
- TDP:225W(8ピン補助電源×1)
- 独自アップスケーラー「NRSS」対応
- DirectX 12 / Vulkan 1.3 対応
数値だけ見れば、RTX4060と同クラスです。
具体例②:RTX4060との現実的な差
冷静に見れば、課題もあります。
最大の弱点は電力効率です。
RTX4060のTDPは約115W。
G100は225Wと、倍近く消費します。
この点で、省電力性能は明確に劣ります。
また、
- ドライバの成熟度
- ゲーム最適化
- エコシステム
これらは、NVIDIAが30年かけて築いた領域です。
Intel Arcが苦戦した理由も、ほぼ同じでした。
G100シリーズも、
最初から完成品ではないと考えるべきです。
具体例③:それでも「実用域」と断定できる理由
重要なのは、
「最新かどうか」ではありません。
実際にゲームが動くかどうかです。
RTX4060級であれば、
フルHD~WQHDの大半のゲームは問題なく動きます。
ライトゲーマーにとって、性能は十分です。
しかも、
- 国内供給が安定
- ARM環境に対応
- 政策的な後押し
この条件が揃うGPUは、中国では極めて価値が高い存在です。
主張①:中国国内ではすでに「戦略的成功」
中国視点で見れば、G100シリーズは合格点です。
ハイエンドでなくてもいい。
2世代遅れでもいい。
自国で作れるGPUを持つこと。
それ自体が目的だったからです。
ミドルクラスGPUは数量が出ます。
数量が出れば、産業が育ちます。
中国市場を自国GPUで固められれば、
NVIDIAやAMDにとっては確実な脅威になります。
主張②:世界市場では「これからが本番」
グローバルでは、まだ差があります。
RTX4060相当ということは、
2026年には1~2世代の差が開きます。
ただし、
初号機でここまで来た事実は重い。
世代ごとに開発速度が上がれば、
5~10年で1世代差まで詰まる可能性もあります。
中国の投資規模を考えれば、現実的なシナリオです。
主張③:ライトゲーマーと自作PC層は注目すべき
価格が鍵です。
もしRTX4060と同価格なら、
多くの人はNVIDIAを選びます。
しかし、
半額近い価格設定が来れば話は変わります。
電力効率が改善されれば、
代替候補として十分成立します。
「中国製GPUは使い物にならない」
この前提は、すでに崩れました。
まとめ
中国製GPUは、ついに実用域に入りました。
G100シリーズは、
性能・技術・戦略の3点で確かな進歩を示しています。
ライトゲーマー、自作PCユーザーにとって、
今後数年は確実に注目すべき分野です。
次に評価されるのは、
実ゲームでの安定性と価格。
ベンチマークではなく、現実で勝てるか。
中国製GPUの本当の試練は、これから始まります。

