Gmailが復旧不能?乗っ取り事件の原因と対策4選
Gmailが突然使えなくなり、何を試しても二度とログインできない。そんな“復旧不能”の乗っ取り事件が報告されています。しかも二段階認証を有効にしていても被害が起きています。
恐ろしい点は、パスワード変更だけで終わらないことです。誕生日を書き換えられ、年齢を12歳以下にされると、Googleの「ファミリーリンク」によって“保護者に管理される子ども扱い”になります。
子ども扱いになると、ログアウトにも保護者の承認が必要になります。復旧フローも通らなくなり、アカウントが戻らない状態が固定されます。攻撃者がギフトカード購入を要求し、関連アカウント閉鎖を脅す事例まで出ています。
この記事では、なぜ復旧できないのかを整理し、今できる対策を4つに絞って解説します。
結論
ファミリーリンク悪用型の乗っ取りは「復旧手段を潰してから締め出す」ため、従来の対策だけでは守れません。現時点で最優先の防御はパスキー導入です。
そのうえで、攻撃の入口を減らす設定と、侵入後の被害拡大を止める設定が必要です。この記事では、次の4つを「今すぐやる対策」として提示します。
- 対策1:二段階認証+パスキーを設定する
- 対策2:紐づく端末・アプリを棚卸しして切る
- 対策3:復旧情報と“信頼できる連絡先”を登録する
- 対策4:セーフブラウジング強化をオンにする
この記事を読むメリット
この記事を読むと、次の状態になります。
- 復旧不能が起きる仕組みを理解できる
- 自分のGoogleアカウントの弱点を点検できる
- 乗っ取り前にできる防御策を実装できる
- 乗っ取り後にやるべき初動を迷わず実行できる
Gmailはメールだけではありません。Googleアカウントが乗っ取られると、YouTube、Googleドライブ、写真、課金、外部サービスのログインまで連鎖被害が起きます。
なぜGmailが「復旧不能」になるのか
ここからは原因を分解します。結論を先に言います。復旧不能は“たまたま”ではなく、復旧を潰す設計で起きます。
原因1「誕生日改ざん」で子ども扱いにされる
攻撃者はパスワード変更だけで満足しません。攻撃者は誕生日を変更し、年齢を12歳以下に設定します。
年齢が12歳以下になると、Googleはアカウントを子どもとして扱います。子どもアカウントは「ファミリーリンク」の管理対象になります。
ファミリーリンクで保護者が設定されると、被害者のアカウントは“管理される側”になります。管理される側は、ログアウトや設定変更に制限がかかります。
結果として、被害者が自分で復旧する余地が消えます。ここが今回の核心です。
原因2 復旧情報の変更・削除で詰む
乗っ取り後に攻撃者は復旧用メール、復旧用電話番号を変更します。復旧情報を消すだけでも被害者は詰みます。
被害者が「パスワードを忘れた」から復旧しようとしても、復旧先が攻撃者の連絡先になります。復旧コードが攻撃者に届く状態になります。
この状態は復旧フローが動いているように見えますが、実際は攻撃者のための復旧フローです。
原因3 二段階認証だけでは突破される
二段階認証は重要です。しかし二段階認証は万能ではありません。
フィッシングでログイン画面を偽装されると、パスワードだけでなく認証コードも抜かれます。端末がマルウェアに感染すると、セッションや認証情報が奪われます。
二段階認証は「パスワード単独より強い」だけです。攻撃が高度化すると、二段階認証の上を取られます。
原因4「締め出し+恐喝」で行動を縛る
今回のような事例では、攻撃者がギフトカード購入を要求します。支払わないと関連アカウントを閉鎖すると脅します。
恐喝は心理戦です。焦った被害者は冷静な手順を踏めなくなります。攻撃者は混乱を利用します。
ここまで起きると、被害者は「復旧したい」より「早く終わらせたい」と思ってしまい攻撃者が有利になってしまいます。
今すぐできる対策4選
パスキーを最優先で導入し、次に端末棚卸し、復旧情報整備、保護機能強化の順で固めます。
対策1 二段階認証+パスキーを設定する
最優先はパスキーです。パスキーは「パスワードを入力しないログイン」を基本にするので、フィッシング耐性が上がります。
手順(PCでもスマホでも同じ流れ)
- Google関連サイト(google.com / gmail.com)にアクセスする
- 右上の丸いアカウントアイコンを押す
- 「Googleアカウントを管理」を押す
- 左メニューから 「セキュリティとログイン」を押す
- 「2段階認証プロセス」を設定する
- 同じ画面内で 「パスキー」を追加する
ポイントは順番です。二段階認証を有効化し、パスキーを追加します。両方を実装すると耐性が上がります。
パスキーは端末の生体認証や画面ロックに紐づきます。端末のロック解除が甘いと意味が薄れるので、端末のPINを短くしないことが重要です。
対策2 紐づく端末・アプリを棚卸しして切る
次にやるべきは、アカウントに紐づく端末とアプリの点検です。使っていない端末が残ると、攻撃者の足場になります。中古で売った端末を放置すると危険です。
手順(端末を手元に持っていなくても可能)
- Googleアカウント管理 → 「セキュリティとログイン」へ移動する
- 下のほうにある 「お使いののデバイス」 を開く
- 見覚えのない端末、すでに売った端末を選ぶ
- 「ログアウト」を押す
- 同じ画面で 接続済みアプリも確認し、不要な連携を削除する
ポイントは「持っていない端末でもログアウトできる」ことです。端末を紛失した場合でも、ここで関係を切れます。
端末点検は一度で終わりません。新しいスマホに買い替えるたびに増えますので、月1回の点検が現実的です。
対策3 復旧情報+“信頼できる連絡先”を登録する
復旧情報は保険です。復旧情報が空だと、詰んだとき身動きが取れなくなります。
さらに新しい考え方として「自分以外の信頼できる人」を復旧に使う仕組みがあります。“アカウント復旧用の連絡先”のような機能です。
狙いは単純です。攻撃者が復旧情報を消しても、第三者ルートを残します。
手順(復旧用メール・電話番号)
- Googleアカウント管理 → 「セキュリティとログイン」へ移動する
- 「Googleログインする方法」周辺で 再設定用の電話番号 を登録する
- 再設定用メールアドレス を登録する
復旧用メールはGmail以外、別ドメインのメールが良いです。同じGoogle系の予備アドレスだけに寄せると同時被害が起きます。
手順(信頼できる連絡先)
- Googleアカウント管理 → 「セキュリティとログイン」へ移動する
- 「アカウント復旧用の連絡先」に該当する項目を探す
- 家族、兄弟、親友など“現実で連絡できる人”を登録する
重要な条件があります。相手と物理的に連絡が取れることが条件です。SNS上の知人は不向きです。
この仕組みも万能ではありません。攻撃者にアカウントを取られると削除される可能性があるので、パスキーの方が効果的です。
対策4 セーフブラウジング強化をオンにする
最後にやるのが「危険なサイト・危険な拡張機能」を早期にブロックする設定です。
セーフブラウジング強化は、既知の危険だけでなく未知の危険にも積極対応します。フィッシングの入口を減らします。
手順(Googleアカウント側から設定)
- Googleアカウント管理 → 「セキュリティとログイン」へ移動する
- 下のほうにある 「セーフブラウジング保護強化機能」 を探す
- オフをオンに切り替える
Chrome側の設定からも同様にできます。Googleアカウント側でオンにすると管理が楽です。
もし「乗っ取られたかも」と思ったときの初動
予防が本筋ですが、初動も重要です。パスワード変更より先に“侵入口の遮断”をやります。
初動1 端末を隔離して安全な端末で作業する
感染端末で作業すると、変更したパスワードも再び抜かれてしまいます。
- 別のPC、別のスマホで作業する
- ブラウザ拡張機能を最小にする
- 公衆Wi-Fiで作業しない
安全な環境を作ってから次に進みます。
初動2 端末一覧から見覚えのない端末をログアウトする
Googleアカウント管理 → セキュリティ → デバイス確認。ここを最優先でやります。
攻撃者がログイン中なら、まずログアウトで追い出します。追い出しに成功すると被害拡大が止まります。
初動3 パスワード変更・二段階認証の再設定を行う
攻撃者を追い出したら、次はパスワード変更です。
- パスワードを長くする
- 使い回しをゼロにする
- 二段階認証を再点検する
- パスキーを追加する
再侵入を難しくしましょう。
初動4 外部サービスの連携を全解除する
Googleでログインしているサービスがあると、そちらも侵害されます。
- パスワードマネージャ
- SNS
- ネット通販
- サブスク
- 決済
連携一覧を確認し、不要な連携を切ります。必要な連携は後で付け直します。
Gmail防衛は「パスキー+棚卸し」が最短ルート
主張1 二段階認証は“必須”だが“十分”ではない
二段階認証だけで安心するのは危険です。攻撃者は二段階認証込みで突破してきます。
安心の根拠を「設定したから」に置くと危険です。安心の根拠は「突破されにくい構造」に置いてください。
主張2 復旧不能の決定打はファミリーリンク悪用
誕生日改ざんで子ども扱いにされ、ファミリーリンクに入れられると、被害者は行動できなくなります。
復旧ができないのは被害者のミスではありません。攻撃手口が“復旧封じ”だからです。ここを理解すると、対策の優先順位が決まります。
主張3 今できる最前策はパスキー導入
現時点での最大の対策はパスキーです。パスワードを入力する機会を減らすことが効果的です。
パスキーを入れたうえで、端末棚卸し、復旧情報、保護機能を連携させると強度が上がります。
主張4 月1回の点検が“将来の自分”を救う
セキュリティは一度やって終わりではありません。端末が増える、アプリが増えると穴が増えてしまいます。
月1回でいいので、次を確認してください。
- デバイス一覧に知らない端末がないか
- 連携アプリに不要なものがないか
- 復旧用メール・電話番号が最新か
- パスキーが設定済みか
まとめ
今日やる順番です。
- Googleアカウント管理 → 「セキュリティとログイン」 → 二段階認証を有効化
- 同じ画面で パスキーを追加
- デバイス一覧で 不要端末をログアウト
- 連携アプリを確認して 不要連携を削除
- 復旧用メール・電話番号を登録
- 信頼できる連絡先を登録
- セーフブラウジング強化をオン
Gmailは生活インフラです。失うと時間もお金も信用も失ってしまいます。パスキー導入から着手してみてください。


