SSDが2倍!? 2025年値上げが止まらない理由3選
「SSDの値段、上がりすぎじゃない?」
最近こう感じた人は多いはずです。とくに2025年に入ってからは、1TBや512GBのSSDが数年前の感覚より明らかに高くなています。
2025年11月にトレンドフォースが発表した最新レポートでも、NANDフラッシュ市場は深刻な供給不足が続いていると指摘されました。とくに企業向け製品の需要が急拡大し、一般向けSSDの価格にも直接的な影響が出ています。
この状況は一時的な値上げではなく、2025年12月時点で「むしろこれから本格化する」と見られています。この記事では、SSD価格が止まらず上昇している理由を3つに整理して解説します。
結論
SSDの値上げが止まらない理由は以下の3つです。
- AI需要と企業向けSSDの爆発的な需要増
- 旧世代NANDの生産縮小によるウェハー供給不足
- 2025年以降の“PCパーツ全体の値上げ連鎖”の始まり
この3つが重なり、1TBモデルから256GBモデルまで幅広い容量帯で価格が上昇。特に512GB〜1TBのTLC製品は最大65%以上の値上がりを記録しています。
この記事を読むメリット
- SSDの値上がりが「どこまで続くか」を理解できる
- 今SSDを買うべきか、待つべきか判断できる
- 2025年12月時点のPCパーツ市場の流れがつかめる
- 初心者でもSSD市場の仕組みを把握できる
AI需要と企業向けSSDの爆発的な需要増
AIアプリケーションとエンタープライズSSDの需要は、2024年後半から2025年にかけて急激に拡大しています。大規模言語モデルやAI推論環境では、高耐久・高性能SSDが大量に必要になります。
サプライヤーは利益率の高い企業向けSSDに生産資源を集中し、一般向けSSD向けのNAND供給が相対的に削られています。
特に不足が深刻なのが以下の容量帯です。
- 1TB TLC → 最も深刻な供給不足
- 512GB TLC → 前月比65%以上の値上がり
- 256GB TLC → 中容量帯でも値上げ継続
さらにQLCモデルもデータセンター用途で引き合いが強く、消費者向けの在庫が減ったことで価格が上がっています。
なぜ企業向けSSDがここまで強いのか?
- AI推論サーバーはSSDを大量に搭載する
- コールドストレージ需要が急増
- 産業機器やIoT機器の出荷数も増加
- 高価格帯の製品ほど利益率が高く、メーカーが優先して生産する
結果として、一般消費者向けSSDは「供給が後回し」になり、価格が下がりにくい状況が続いています。
旧世代NANDの生産縮小でウェハー供給が限界に
2025年のSSD市場を揺らしている最も大きな要因が、旧世代NANDの急速な生産縮小です。
トレンドフォースの報告では、9世代NAND(低密度品)の生産をサプライヤーが一気に縮小したことで、ウェハー供給がさらに逼迫したと分析されています。
その結果、2025年11月の主要ウェハー契約価格は 全カテゴリーで20〜60%の大幅値上げ となりました。
生産縮小の影響
- 工場は高利益モデル(企業向けSSD)へ集中
- 古い設備は廃棄、ライン縮小
- 低容量SSDの供給が急減
- 一般向けSSDの価格が底上げされる
とくに512GB TLCは影響が大きく、前月比65%の値上げという異常な伸びを見せています。
● 2025年12月時点の状況
- 12月以降も契約価格は上昇が続く見込み
- サプライヤー側の価格支配力が非常に強い
- 消費者市場へ価格高騰が完全に波及
市場関係者の中では「今の値上げはまだ序章」という声もあります。
PCパーツ全体で値上げ連鎖が始まっている
SSD単体の問題ではなく、PCパーツ市場全体が値上がりの連鎖に入っています。
2025年の値上げ項目
- DRAM価格が高騰し続けている
- TSMCによるウェハー価格上昇
- CPUの2026年以降の値上げが確定
- グラボは企業向け優先で一般向け減産
- BTOショップは部品調達が厳しく倒産リスクが増大
この流れにより、SSDだけでなく以下の部分に影響が出ています。
- PC自作のコストが大幅上昇
- 一般向けPCの販売数が減少
- 周辺パーツの需要も低下
HDDやルーター、IoT機器もストレージ価格の影響を受けやすく、2026年に向けて「メモリ・ストレージ高騰時代」が本格化しています。
実売価格の変化
2025年12月時点の実売価格でも、値上げは明確に確認できます。
- Dospara SN710 2TB → 26,170円(税込)
- わずか1年前は1TBが同価格帯だった
- 店頭でも“横並び価格”が目立ち値下げ競争が消滅
- 「この価格でも安かった」と言われる未来が見えている
SNSでもユーザーから次のような声があります。
- 「2TBが1万円で買えた時代が懐かしい」
- 「自作PCは縮小一択。DDR6まで待つ」
- 「AI需要は過去のマイニングを超えるレベル」
一般向けSSD市場は、完全に価格上昇トレンドに入りました。
SSDは“必要なら早めに買う”が最適解
2025年12月時点の市場分析を見る限り、SSD価格はさらに上がる可能性が高いです。値下がりの材料が見当たらず、むしろ以下の要因が控えています。
- AIサーバー増設ラッシュの継続
- 企業向けSSDの需要加速
- 低世代NANDの追加縮小
- ウェハー価格のさらなる値上げ
- 2026年のCPU値上げ
一般PCパーツのコスト全体が上昇するため、SSDだけが単独で値下がる環境にはありません。
そのため、SSDは「必要なときに買う」が最も損をしにくい選択です。
タイミングを遅らせるほど、同じ容量を購入するための費用が増える可能性が高い状況です。
まとめ
SSD価格が2倍近くまで上がっている背景には、AI需要拡大・旧世代NAND縮小・PCパーツ全体の値上げという複合的な要因があります。2025年12月時点では、値上げはむしろ加速する方向で進んでいます。
SSDが必須の作業や用途があるなら、早めの購入が最も賢い判断になります。

