AI

深津式・七里式・シュンスケ式・COT・ToT・ReAct—生成AIを自在に操る6つのプロンプト設計法

ojya
Contents
  1. 1.はじめに
  2. 2.深津式プロンプトとは
  3. 3.七里式プロンプトとは
  4. 4.シュンスケ式プロンプトとは
  5. 5.COT(Chain of Thought)プロンプトとは
  6. 6.ToT(Tree of Thought)プロンプトとは
  7. 7.ReAct(Reasoning and Acting)プロンプトとは
  8. 8.6つのプロンプト手法を比較しよう
  9. 9.実践例で6手法を比べてみよう
  10. 10.まとめと今後のプロンプト活用法
  11. 最後に

1.はじめに

近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの登場によって、文章作成・企画立案・アイデア出しなど、さまざまな分野で業務効率が飛躍的に向上しています。しかし、誰もがAIをうまく使いこなせているわけではありません。その理由の一つが、「プロンプトの設計方法」にあります。

プロンプトとは、AIに対して「何をしてほしいか」を伝えるための指示文です。この指示の出し方一つで、AIの出力の質は大きく変わります。つまり、AIを使いこなすカギは、「良いプロンプトを作れるかどうか」にあるのです。

そのような中で、実際に多くのユーザーが試行錯誤を重ね、効果的なプロンプト設計の型が生まれてきました。中でも特に注目されているのが、以下の6つの手法です。

  1. 深津式プロンプト
  2. 七里式プロンプト
  3. シュンスケ式プロンプト
  4. COT(Chain of Thought)プロンプト
  5. ToT(Tree of Thought)プロンプト
  6. ReAct(Reasoning and Acting)プロンプト

これらはそれぞれ異なる視点や目的を持ち、適切に使い分けることで、ChatGPTなどのAIが本来持つ能力を最大限に引き出すことができます。

本記事では、これら6つのプロンプト手法について、

  • どのような構造になっているのか
  • どんなシーンに向いているのか
  • どうやって使いこなせばいいのか

を、初心者にも分かりやすく解説していきます。最後には、同じテーマで6つの方式を使い比べる実践例もご紹介しますので、「どの手法が自分に合っているか」を具体的にイメージできるはずです。

それでは早速、最初のプロンプト手法「深津式プロンプト」から見ていきましょう。

2.深津式プロンプトとは

深津式プロンプトとは?

深津式プロンプトは、note株式会社 CXO の深津貴之(ふかつ・たかゆき)氏によって提唱された、非常にシンプルで再現性の高いプロンプト設計手法です。

この方式は、ChatGPTなどの生成AIに対して明確でブレない指示を与えるための「型」として、多くのユーザーから支持を集めています。

基本構造:結論 → 理由 → 具体例

深津式プロンプトの核となるのは、次の3ステップ構成です。

  1. 結論(Conclusion)
     まずは、AIに出してほしい「答え」や「最終的なメッセージ」を先に指定します。
  2. 理由(Reason)
     次に、その答えに至る理由や背景、ロジックを補足します。
  3. 具体例(Example)
     最後に、具体的な事例や状況を与え、AIの理解を深め、出力の精度を高めます。

具体例:副業を始めたい人へのアドバイス

以下は、深津式プロンプトの一例です。

コピーする編集する副業を始めたい人におすすめのアドバイスを教えてください。
【結論】最初はリスクの少ない副業から始めましょう。
【理由】初心者がいきなり大きな投資を伴う副業に挑戦すると、失敗するリスクが高いためです。
【具体例】例えば、ブログ運営やクラウドソーシングでのライティングなど、初期費用がほとんどかからないものから始めるのが良いでしょう。

このように「結論→理由→具体例」の順で構成することで、AIに明確なゴールと根拠を与えながら、具体的な出力を促すことができます。

特徴とメリット

特徴内容
シンプルで使いやすい初心者でもすぐに活用できる構造
出力がブレにくい結論を先に提示するため、AIが迷いにくい
汎用性が高い日常的な質問から仕事の相談まで幅広く対応

深津式が向いているケース

  • はじめてプロンプト設計を学ぶ初心者
  • 明確で一貫性のある回答が欲しいとき
  • ブログ、アイデア出し、学習補助などの汎用的な用途

3.七里式プロンプトとは

七里式プロンプトとは?

七里式プロンプトは、マーケター・起業家として活躍する七里信一(しちり・しんいち)氏によって提唱されたプロンプト設計法です。特にビジネス・マーケティング・セールスライティングなどの分野で力を発揮する構造になっており、プロンプトを使って「目的に直結した成果物」を得たいときに非常に有効です。

ChatGPTに対して「状況」や「制約条件」までを明確に伝えることで、より具体的で実用的な出力を得ることができるのが、この手法の大きな強みです。


基本構造:5つの要素で構成

七里式プロンプトは、以下の5つの要素から構成されます。

  1. 目的(Purpose)
     このプロンプトで何を実現したいのか(例:「売上を伸ばしたい」「読者の心を動かす文章を書きたい」など)
  2. 状況(Situation)
     今どのような状態なのか、どんな背景があるのか(例:「副業初心者に向けたLINE広告を作りたい」)
  3. 指示(Instruction)
     AIにどんなアウトプットをしてほしいのか(例:「見出しとキャッチコピーを3つずつ出してください」)
  4. 制約(Constraints)
     文字数やトーンなど、守ってほしいルール(例:「カジュアルな口調で」「100文字以内」)
  5. 出力形式(Output format)
     出力の構成やフォーマット(例:「番号をつけて出力」「Markdown形式」)

使用例:副業初心者向けの広告コピー

以下は七里式プロンプトの一例です。

【目的】副業に興味がある初心者に向けてLINE広告のキャッチコピーを作成したい  
【状況】ターゲットは会社員。副業を始めたいが不安を感じている人が多い
【指示】共感を引き出せるキャッチコピーを3つ作ってください
【制約】文字数は50文字以内、カジュアルな口調で
【出力形式】番号をつけて箇条書きで出力してください

出力例(ChatGPTの回答)

  1. 「副業って難しそう?最初の一歩は意外とカンタン!」
  2. 「毎日30分、自分の夢に近づく時間をつくろう」
  3. 「スキマ時間で月3万円、できたら嬉しくないですか?」

このように、「目的・状況・指示・制約・形式」の5点を与えることで、AIは具体的なシナリオを理解し、意図に沿った出力をしてくれるようになります。


特徴とメリット

特徴内容
ターゲットに刺さる出力が可能状況や制約を与えることで的確な文脈に合わせられる
マーケティングや広告に強い実務向けのアウトプットに直結しやすい
再利用・テンプレート化しやすい何度も使える構造として活用可能

七里式が向いているケース

  • セールスコピーや広告文の生成
  • ビジネス文章の構成・提案書づくり
  • 制約が多い実務シナリオ(例:限られた文字数・特定トーン)

4.シュンスケ式プロンプトとは

シュンスケ式プロンプトとは?

シュンスケ式プロンプトは、AI活用インフルエンサーとして知られるシュンスケ氏が提唱したプロンプト設計の手法です。特に、ChatGPTの出力の「質」と「専門性」を高めたいときに効果を発揮する構造として、ビジネスユーザーを中心に広く活用されています。

この手法の最大の特徴は、AIに明確な「役割」と「前提情報」を与えることです。AIは文脈に敏感なツールであるため、こうした条件を丁寧に指定することで、より的確で深みのある出力を引き出すことができます。


基本構造:専門家設定+前提情報+目的明確化

シュンスケ式では、次のようなステップでプロンプトを構成します。

  1. あなたは○○の専門家です
     AIに役割を与えることで、専門的な観点からの出力を促す
  2. 前提情報の提示
     ユーザーの立場や状況など、AIが判断するために必要な文脈を伝える
  3. 明確な指示と目的
     何をしてほしいのかをはっきりと指定する(例:「〜について初心者向けにわかりやすく解説してください」)

使用例:副業初心者向けアドバイス

以下はシュンスケ式プロンプトの例です。

あなたは副業支援を専門とするビジネスコンサルタントです。  
私は会社員で、副業を始めたいと考えていますが、何から始めればいいか分かりません。
初心者におすすめの副業の種類と、その始め方について、やさしく説明してください。

出力例(ChatGPTの回答)

もちろんです!副業初心者の方には、次のような低リスクで始められる副業をおすすめします。

  1. クラウドワークスやランサーズでのライティング
     → 初期投資なしで始められ、自宅で完結します。
  2. ブログやアフィリエイト
     → 長期的な収益化が可能。自分のペースで進められます。

まずは、自分の得意分野や興味に近いものから始めてみましょう!

このように、AIが自分の役割と相手の状況を理解している前提で出力するため、非常に自然で具体性のある回答が得られます。


特徴とメリット

特徴内容
AIに役割を与えることで専門的な視点が得られる例:「あなたは医師です」→医療的観点で回答
前提情報に基づく応答で、文脈理解が深まるユーザーの状況や目的に応じたカスタマイズ可能
対話的で人間に近い回答が得られるコンサルティングやアドバイス系のプロンプトに最適

シュンスケ式が向いているケース

  • 専門性のある回答を求めたいとき
  • ユーザーの立場に合わせたカスタマイズされたアドバイスが必要なとき
  • ブログやSNS用の「人間らしい語り口」の文章を生成したいとき

5.COT(Chain of Thought)プロンプトとは

COTとは?

COT(Chain of Thought)は、日本語で「思考の連鎖」と訳されるプロンプト設計手法で、特に論理的思考やステップバイステップの問題解決が求められる場面で力を発揮します。

この手法では、AIに対して「すぐに答えを出すのではなく、順を追って考えるように促す」ことがポイントです。まさに人間が頭の中で考えるプロセスをAIに模倣させる方法であり、複雑な質問や計算問題、推論が必要な問いに効果的です。


なぜ「思考の連鎖」が必要なのか?

ChatGPTはとても賢いですが、一足飛びに答えを出そうとするとミスをすることがよくあります。その原因は、プロンプトが「考える過程」を省いて、最終的な答えだけを求めてしまうからです。

COTでは、「ステップバイステップで考えてください」や「まず理由を述べてから答えてください」といった「思考の流れを明示的に指示する」ことで、AIの出力の正確性と納得感を向上させることができます。


使用例:論理的な判断問題

通常のプロンプト

Aさんは毎日ジョギングをしています。雨の日はジョギングをしません。今日は雨です。Aさんはジョギングをしますか?

COTプロンプト版

Aさんは毎日ジョギングをしています。雨の日はジョギングをしません。今日は雨です。
ステップバイステップで考えて、Aさんがジョギングをするかどうかを教えてください。

出力例(ChatGPTのCOTによる回答)

  1. Aさんは毎日ジョギングをしています。
  2. ただし、雨の日はジョギングをしません。
  3. 今日は雨です。
    ⇒ よって、Aさんは今日はジョギングをしません

このように、1つ1つの前提を確認しながら結論に至るプロセスをAIに踏ませることで、正確性が増します。


特徴とメリット

特徴内容
ステップバイステップの推論が可能になる特に数学や論理的判断に有効
AIの思考過程が可視化される「なぜそうなったのか」が明確になる
誤答のリスクを減らせる結論を急がせず、過程を踏むため正確性向上

COTが向いているケース

  • 計算・数理・論理パズルなどの問題
  • 段階的に判断を下す必要がある問い(例:要件を満たしているかのチェック)
  • 「なぜそうなったのか?」という説明が求められる場面

6.ToT(Tree of Thought)プロンプトとは

ToTとは?

ToT(Tree of Thought)は、「思考の樹形図」と訳されるプロンプト設計法で、複雑な問題を複数の選択肢・視点から並行して検討し、最適な結論を導き出すための手法です。
Google Researchなどによって提唱されたこの考え方は、特に戦略的な意思決定や多変数の最適解を求める場面
で高い効果を発揮します。

従来の「線形思考」(1つの思考プロセス)ではなく、ToTは「分岐思考」をAIに促すため、1つの問題に対して複数の解決ルートを比較・評価する能力を引き出すことができます。


COTとの違い

ToTは、前章で紹介したCOT(Chain of Thought)と似ていますが、次のような違いがあります。

特徴COTToT
思考の構造直線的(ステップバイステップ)分岐型(複数案の並行思考)
得意分野単一解の論理問題複数解の比較・評価が必要な問題
出力例筋道だった説明選択肢ごとのメリット・デメリットの分析

基本構造:複数案 → 分析 → 最適解選択

ToTプロンプトでは、AIに対して以下のような思考手順を促します。

  1. 問題に対して複数の解決策を出す
     → 選択肢A・B・Cのように分岐させる
  2. 各選択肢の利点・欠点を分析させる
     → メリット・デメリットや影響を列挙
  3. 最も妥当な選択肢を選ばせ、理由を説明させる
     → 根拠に基づいた意思決定を促す

使用例:副業を始めたいが時間がない人へのアドバイス

あなたは副業支援の専門家です。  
私は本業が忙しく、副業にあまり時間をかけられませんが、月に3万円ほどの収入を得たいと思っています。
この条件を満たす副業の選択肢を3つ挙げ、それぞれのメリットとデメリットを比較してください。
最後に、どれが最も適しているかを理由とともに教えてください。

出力例(ChatGPTのToT的思考)

選択肢A:クラウドワークスでのライティング業務

  • メリット:自宅でできる/始めやすい
  • デメリット:単価が低く、収入まで時間がかかる可能性あり

選択肢B:せどり(転売ビジネス)

  • メリット:在庫管理が上手くいけば利益率が高い
  • デメリット:仕入れ・発送に手間がかかる/初期費用が必要

選択肢C:スキル販売(ココナラ等)

  • メリット:得意分野が活かせる/スケジュールを自分で調整できる
  • デメリット:最初の集客に時間がかかる可能性あり

結論:選択肢C(スキル販売)が最適
理由:時間の制約がある中で、自分のペースで調整できる自由度が高いため。


特徴とメリット

特徴内容
複数の視点で問題を検討できる単一の回答にとらわれない柔軟な思考促進
意思決定に根拠が生まれる客観的な比較を通じた納得感のある選択
戦略的タスクに適するプロジェクト選定・企画立案などの支援に最適

ToTが向いているケース

  • 選択肢の多い問題に対して最善策を決めたいとき
  • メリット・デメリットの比較が重要な場面
  • 戦略的意思決定や優先順位の判断が必要な業務

7.ReAct(Reasoning and Acting)プロンプトとは

ReActとは?

ReActとは、「Reasoning(推論)」と「Acting(行動)」を組み合わせたプロンプト設計手法で、思考しながら、必要に応じて行動するAIを実現するためのアプローチです。
これはGoogle Researchなどの研究チームが提唱した方法で、特に「複雑なタスク」や「外部情報との連携」が求められる場面で、AIの能力を拡張するために設計されています。

通常のプロンプトでは「思考」か「行動」のどちらかに偏りがちですが、ReActでは両者を交互に繰り返す構造をとることで、AIが「考えて」「調べて」「答える」ような高度な対話を可能にします。


ReActの基本構造

ReActは以下のようなステップでAIに思考と行動を繰り返させます。

  1. Observation(観察):質問や状況を受け取る
  2. Thought(思考):次に何をすべきか考える
  3. Action(行動):情報検索やツール使用などのアクションを起こす
  4. Observation(結果):アクションの結果を再度観察
  5. Answer(回答):すべての情報を踏まえて結論を出す

これを1回だけでなく、必要に応じてループ的に繰り返すことがReActの大きな特徴です。


使用例:AIにタスク管理アドバイザーとして動いてもらう

あなたはプロの時間管理コンサルタントです。  
私は平日は本業で忙しく、副業をする時間が限られています。
今週、以下の3つの副業タスクを効率よくこなしたいと考えています。
- ブログの下書きを3本書く
- クラウドワークスでのライティング案件1件
- SNS投稿を5本作成

どの順番で進めるべきか、考えながら計画を立ててください。

出力例(ChatGPTによるReAct風の出力)

Thought: 限られた時間の中で、最も集中力が必要なタスクを先に終わらせるのが効率的です。
Action: それぞれのタスクにかかる想定時間を見積もります。

Estimated Times:

  • ブログの下書き:1本あたり1時間 × 3本 = 3時間
  • ライティング案件:2時間
  • SNS投稿:1本20分 × 5本 = 約1時間40分

Thought: 最も時間がかかるブログは、分割して進める方が良さそうです。
Plan:

  • 月・火:朝の時間でブログ1本ずつ
  • 水:クラウドワークス案件
  • 木・金:SNS投稿と残りのブログ

Answer: このような順番で進めることで、負荷を分散させつつすべてのタスクをこなすことができます。


特徴とメリット

特徴内容
思考と行動を繰り返す一度に結論を出さず、順を追って判断する
外部情報や条件に柔軟に対応変化する前提にも対応できる高度な応答
複雑なタスク処理に強い調査・判断・計画などを自律的に進行できる

ReActが向いているケース

  • 複数のステップが必要な問題(タスク分解、意思決定、調査)
  • 自律的に問題を解決してほしいとき(エージェント的な利用)
  • ChatGPTを「考えて動くパートナー」として使いたいとき

ReActは、これまでのプロンプト手法の中でも特に「AIを人間に近づける」という観点で注目されているアプローチです。使いこなせば、ChatGPTを単なる質問応答ツールではなく、対話型のアシスタントや意思決定支援ツールとして活用できるようになります。

8.6つのプロンプト手法を比較しよう

これまでに紹介してきた6つのプロンプト手法は、それぞれ目的・構造・強みが異なります。すべてが優れている一方で、使い所を間違えると、AIの力を十分に引き出せないこともあります。

この章では、それぞれの手法を比較表とケース別アドバイスを使って整理し、あなたが状況に応じて最適なプロンプトを選べるようになることを目指します。


6手法の比較表

プロンプト手法主な用途構造/型特徴向いているユーザー
深津式一般的な質問・説明結論→理由→具体例シンプルで使いやすい初心者、全般
七里式セールス・マーケティング目的→状況→指示→制約→形式実務向けに精密な出力実務者、ビジネスパーソン
シュンスケ式専門的なアドバイス・相談役割設定+文脈+明確な目的対話的で人間らしい出力ブログ、SNS、コンサル用途
COT(Chain of Thought)論理的な問題・数式・推論ステップバイステップ考え方の透明化と正確性教育・分析・検証
ToT(Tree of Thought)意思決定・戦略的判断複数案→評価→選択分岐思考で多角的に検討マネジメント、企画立案
ReAct複雑なタスク、行動を含む思考思考→行動→観察→繰り返し自律的なタスク処理が可能高度活用ユーザー、AIエージェント設計者

シーン別おすすめプロンプト

初めてAIを使う/まずは簡単に使いたい

深津式
明確な型で再現性が高く、汎用性も抜群。まずはここから始めるのが王道。

セールスコピーやマーケ文章を書きたい

七里式
制約や出力形式を細かく指定できるため、実務シーンで力を発揮。

専門性のある内容を、人間らしい文体で伝えたい

シュンスケ式
AIに専門家の役割を与えることで、説得力のある出力が得られる。

正確な答えや理由付きの説明が欲しい

COT
数学や論理的判断に最適。思考過程を明示的にしてくれる点が魅力。

複数の選択肢を比較しながら最適解を出したい

ToT
ビジネス判断や戦略構築など、多面的に検討すべき課題におすすめ。

AIに調査や判断を任せて、タスクを代行させたい

ReAct
思考と行動を繰り返す構造で、まるで「AIアシスタント」のように動く。


プロンプト設計のコツ

  • 用途に合わせて「型」を使い分けるのが、プロンプト活用の近道
  • 同じテーマでも「視点を変える」ことで、まったく異なる出力が得られる
  • 慣れてきたら、複数の方式を組み合わせる応用テクニックもおすすめ

9.実践例で6手法を比べてみよう

これまでに紹介してきた6つのプロンプト手法を実際に比較し、その違いが出力にどう反映されるのかを体験してみましょう。

ここでは同じテーマを使って、各プロンプト方式でChatGPTに回答させ、その構成・言葉選び・視点の違いを比較します。


共通のテーマ:

「副業を始めたい初心者へのアドバイスを出してください」


1. 深津式プロンプト

プロンプト:

副業を始めたい初心者へのアドバイスをください。  
【結論】小さく始めて、徐々にステップアップするのが成功の鍵です。
【理由】いきなり大きな投資や難しい作業に挑戦すると、失敗のリスクが高まります。
【具体例】まずはクラウドワークスでライティングやタスク業務を受けてみるのが安全です。

出力例(要約):

副業はリスクを抑えて始めるのがポイントです。小さな成功体験を重ねながら、自分に合ったスタイルを見つけていきましょう。


2. 七里式プロンプト

プロンプト:

【目的】副業に興味がある初心者に対して、行動を促すアドバイスを届けたい  
【状況】会社員で、週末や夜の時間に副業を始めようと考えている
【指示】副業の種類と始め方をわかりやすく提案してください
【制約】トーンは親しみやすく、難しい言葉は使わないこと
【出力形式】番号付きで提案を3つ、1つにつき簡単な理由付きで

出力例(要約):

  1. ブログ運営:初期費用が少なく、好きなテーマで始められる
  2. スキル販売:得意なことを活かして、無理なく始められる
  3. タスク系副業:時間に合わせてできるから、続けやすい

3. シュンスケ式プロンプト

プロンプト:

あなたは副業支援に詳しいキャリアコンサルタントです。  
私は会社員で、副業に興味がありますが、時間や知識に不安があります。
初心者向けに、どのような副業が合いそうか教えてください。

出力例(要約):

ご安心ください。あなたのような状況では、まず「クラウドソーシング」や「スキル販売」から始めるのが最適です。初期費用がかからず、自分のペースで進められるからです。


4. COT(Chain of Thought)

プロンプト:

副業初心者におすすめの始め方について、ステップバイステップで考えて答えてください。

出力例(要約):

  1. 副業には時間・お金・スキルの3要素が必要
  2. 初心者はこのうち「時間とお金」に余裕がないことが多い
  3. だからこそ、知識不要で低コストな選択が望ましい
    ⇒ 結論:クラウドソーシングやライティング系から始めるのが良い

5. ToT(Tree of Thought)

プロンプト:

副業を始めたい初心者に向けて、3つの選択肢を提示し、それぞれのメリット・デメリットを比較したうえで、最適なものを選んでください。

出力例(要約):

  • A. ブログ運営:長期向け、収益化まで時間がかかる
  • B. クラウドワークス:即収益可能、単価が低い
  • C. 動画編集:スキル習得に時間がかかるが、収入は高め

⇒ 結論:まずはクラウドワークスで副業の流れを掴むのが現実的


6. ReAct(Reasoning and Acting)

プロンプト:

あなたは副業コンサルタントです。私は本業が忙しく、週に5時間しか副業に割けません。この条件で副業を始める場合のプランを、考えながら立ててください。

出力例(要約):

思考:週5時間で取り組める副業は限られる
行動:スキル不要・短時間でできるものをリストアップ
分析:アンケート、ライティング、商品レビューなどが現実的
結論:週末に1〜2時間ずつ進められるライティング系から始めましょう


比較まとめ

手法出力の特徴適している使い方
深津式明快・簡潔でスピーディ日常的な疑問解決や短文回答
七里式構造化されていて実務的広告・提案・商品説明など
シュンスケ式親身な語り口で専門的対話形式の相談やブログ向き
COT論理的で丁寧な説明学習用途やトレーニング型回答
ToT多角的な比較・提案ビジネス判断や選択のサポート
ReAct自律的に計画してくれるタスク代行や複雑な問題解決

10.まとめと今後のプロンプト活用法

本記事では、生成AIを最大限に活用するための6つの代表的プロンプト設計手法をご紹介してきました。

それぞれの手法には独自の構造と強みがあり、目的や状況に応じて使い分けることで、ChatGPTなどのAIから得られる出力の質・精度・説得力が格段に向上します。


各プロンプト手法の振り返り

手法特徴的な強み
深津式シンプルで誰でもすぐに使える。思考の型としても有効。
七里式実務寄りの構造で、広告やセールス系に最適。
シュンスケ式AIに専門家の役割を与えることで、質の高い回答を得られる。
COTステップバイステップの思考で、正確かつ透明な答えが得られる。
ToT複数の選択肢を検討し、最善策を選ぶ思考に対応。
ReAct思考と行動を繰り返すことで、AIが自律的に課題解決を行う。

プロンプト設計は「AI時代のスキル」

プロンプトは単なる“命令文”ではなく、AIに考えさせ、導き出させるための新しい言語スキルとも言えます。

AIは万能ではありませんが、適切な問いかけをするだけで、驚くほど高精度な支援者になります
言い換えれば、「質問の質=答えの質」なのです。


今後の活用法:あなたも“プロンプトアーキテクト”に

これまで紹介した手法は、すべてテンプレートとして活用可能です。しかし、本当にAIを活用できる人は、自分自身でプロンプトを設計・アレンジしていきます。

今後はぜひ、以下のような応用にもチャレンジしてみてください:

  • 各手法を組み合わせたハイブリッド型プロンプトの設計
  • 特定の目的(ライティング、企画、提案、顧客対応など)に特化した自作テンプレートの開発
  • AIを複数回に分けて使うマルチステップ対話設計(特にReAct系で有効)

まとめ

  • プロンプトは、AIを最大限に活かすための“言葉の設計図”である
  • 用途に応じて適切な型を選ぶことが成功の鍵
  • 使いこなすことで、AIがあなたの最強の仕事パートナーになる

最後に

生成AIは、ただ使うのではなく、「どう使うか」が成果を左右します。
あなたの目的にぴったり合うプロンプトを使い分け、AI時代のスキルを一歩先に進めていきましょう。

    スポンサーリンク
    ABOUT ME
    おじゃ
    おじゃ
    挑戦者/ブログ育成中
    はじめまして!ブログの世界に足を踏み入れたばかりの新人ブロガーです。まだまだ駆け出しですが、これから自分の経験や学びを元に、皆さんに役立つ情報をお届けしていきます。成長の過程を一緒に楽しんでくれると嬉しいです!
    記事URLをコピーしました