メールと予定を自動化!Google Workspace Flows入門3ステップ
「毎朝、同じようなメール整理で時間が溶けていく」
「日程調整のたびにカレンダーとメールを行ったり来たり」
そんな地味なルーティンに、心当たりはありませんか。
Google Workspaceを仕事で使っている人は多いです。
Gmail、Google カレンダー、ドライブ、チャット。
便利なサービスがそろっているのに、メール整理や予定登録は手作業で続けている人がほとんどです。
そこで登場したのが、Google の新機能「Google Workspace Flows(ワークスペース フローズ)」です。
ノーコードで、メール処理や予定登録をAI入りのフローとして自動化できます。
この記事では、初心者向けに
「メールと予定を自動化する方法」を
3ステップでわかりやすく解説します。
結論:フローズで「毎日の小さな面倒」を一気に減らせる
結論から言うと、Google Workspace Flowsを使うと、
プログラミングなしで、メールと予定に関するルーティン作業をAI付きで自動化できるようになります。
たとえば、次のような流れを、クリック操作だけで作れます。
- 特定の件名のメールが届いたら、内容を要約してチャットに通知
- 日程に関するメールが届いたら、内容を読み取ってカレンダーに予定を自動登録
- お問い合わせフォームの回答が届いたら、担当者チャットに通知し、自動返信メールも送信
しかも、Google Workspaceの対象プランに加入していれば、
追加料金なしで使える点も大きなメリットです。
この記事を読むメリット
この記事を読むと、次のポイントが理解できます。
- Google Workspace Flowsがどんな機能なのかが具体的にわかる
- メールと予定を自動化する基本の考え方がつかめる
- 実際の活用イメージ(FAQ自動返信、レシート読取など)が想像しやすくなる
- 「まずどこから自動化すればよいか」がはっきりする
フローズは柔軟性が高いツールです。
ただ、最初は「できることが多すぎて、逆にイメージが湧きにくい」という悩みが起こりがちです。
この記事では、
メール+予定の自動化に絞って、
最初の一歩をわかりやすく整理します。
なぜフローズで自動化すべきなのか
理由1:Googleサービス同士の連携に特化している
Google Workspace Flowsは、Gmail、カレンダー、ドライブ、チャット、フォーム、スプレッドシートなど、
仕事でよく使うGoogleサービス同士の連携に特化したツールです。
ZapierやPower Automateのような外部連携ツールも便利です。
ただ、Googleサービス中心で仕事をしている人にとっては、
Google公式の自動化機能のほうが設定がシンプルで直感的です。
- Googleフォームの回答を受け取ったとき
- Gmailに特定の件名のメールが届いたとき
- Googleドライブのフォルダにファイルが追加されたとき
こういった「きっかけ」を元に、
カレンダー登録やチャット通知などを一気に組み立てられます。
理由2:AI Geminiをフローの途中で呼び出せる
Googleフロー最大の特徴は、
フローの途中でAI Geminiを組み込める点です。
単なる「自動転記ツール」ではなく、AIによる理解と要約を挟めます。
例えば、こんな処理が可能です。
- メール本文をGeminiに渡して「3行で要約して」と指示
- レシート画像をGeminiに渡して「日付と合計金額だけ抜き出して」と依頼
- お問い合わせ内容をGeminiに渡して「丁寧な返信文を作成して」と依頼
これにより、
「転送」だけでなく「考える部分」までAIに任せる自動化が実現します。
理由3:ノーコードで作れるので、現場の人が自分で改善できる
Googleフローは、プログラミング不要です。
- テンプレートを編集する方法
- 「こういう処理をしたい」と文章で指示してAIに組み立ててもらう方法
- ステップを手動で追加していく方法
3つの作り方から選べます。
特別なスクリプト知識がなくても、
営業、バックオフィス、個人事業主など、
現場の担当者が自分でフローを作り、改善できます。
IT部門に毎回依頼する必要が減るため、
小さな業務改善を高速に回せる点が大きな強みです。
メールと予定を自動化する実用フロー

ここからは、実際の活用イメージを3つ紹介します。
具体例1:未読メールの要約を毎朝チャットに送るフロー
1つ目は、未読メールの要約を毎朝チャットに届けるフローです。
フローの構成
- スターター:平日8時にスケジュール実行
- アクション1:Geminiに未読メールの内容を渡して要約
- アクション2:要約結果をGoogle Chatに送信
このフローが動くと、
出社した瞬間に「重要なメールだけをざっくり把握」できます。
メールボックスを1通ずつ開かなくても、
チャットの要約を見るだけで、対応の優先順位を決められます。
効果
- 朝一番のメールチェック時間が大幅に圧縮される
- 対応漏れを防げる
- スマホからでも要約だけ確認できる
「とりあえず要約を確認して、必要なメールだけ後で開く」
そんなスタイルに変えられます。
具体例2:フォーム回答→チャット通知+自動返信メール
2つ目は、日程調整や個別相談の申込みを自動化するフローです。
フローのゴール
- Googleフォームで申し込みを受け付ける
- 回答が届いたら、管理者のGoogle Chatに通知
- 申込者には、特典付きの自動返信メールを送信
フローの構成
- スターター:
- 「フォームの回答が届いたとき」をトリガーに設定
- アクション1(チャット通知):
- Google Chatで通知を送信
- メッセージ内にフォームの回答内容を挿入
- アクション2(メール送信):
- Gmailで申込者に自動返信
- 返信メールに特典リンクや案内文を記載
以前は、同じことをするためにGoogle Apps Scriptを書く必要がありました。
Googleフローなら、画面上の設定だけで完結します。
効果
- 申し込みのたびにメールを作成する必要がなくなる
- 申込者へのレスポンスが即時になる
- 担当者はチャット通知だけ見れば状況を把握できる
セミナー、個別相談、イベントなど、
「フォーム→お礼メール」のパターンが多い場面で非常に役立ちます。
具体例3:レシート画像から日付と金額を抽出してスプレッドシートへ
3つ目は、経費精算に役立つフローです。
フローのゴール
- 件名に「レシート」と含まれるメールが届く
- 添付ファイルの画像やPDFの中身をAIが判定
- レシートだった場合だけ、日付と合計額を抽出
- スプレッドシートに自動で記録
- 処理済みメールに「入力済み」ラベルを付与
フローの構成イメージ
- スターター:
- 「特定の条件を満たしたメールを受信したとき」をトリガーに設定
- 条件:
- 件名に「レシート」を含む
- 添付ファイルが存在する
- アクション1:フィルター
- 添付ファイルの種類が「画像」または「PDF」の場合に絞り込み
- アクション2:添付ファイルをGoogleドライブの指定フォルダへ保存
- アクション3:Geminiに質問
- 「保存されたファイルはレシートですか?」とYes/Noで問い合わせ
- アクション4:Yesだった場合のみ、
- Geminiに「日付」と「合計金額」の抽出を依頼
- 結果をスプレッドシートに1行として追加
- 元メールに「入力済み」ラベルを付与
効果
- レシートデータの手入力が不要になる
- 入力漏れや打ち間違いが減る
- 経費精算の「準備作業」にかかる時間を大幅に節約できる
メール経由でレシート画像を集めている会社や、
個人事業主の経費管理にも応用できます。
入門3ステップ:メールと予定の自動化を始める方法
ここまで読むと、
「便利そうだけど、どこから手をつければよいかわからない」
という状態になりやすいです。
そこで、初心者向けの入門ステップを3つに整理します。
ステップ1:対象プランと管理画面の設定を確認する
まず、Google Workspace Flowsが使えるプランかどうかを確認します。
2025年11月時点では、
- ビジネス スタンダード以上
- AI Pro for Education
などが対象とされています。
さらに、管理者側の設定も重要です。
- Google Workspace 管理コンソールを開く
- 左メニューから「生成AI」「Gemini for Google Workspace」の順に選択
- 「アルファ版機能」をオンにして保存
管理者権限を持つ担当者に依頼し、
フロー機能とGeminiの利用を許可してもらう必要があります。
ステップ2:テンプレートから試す
いきなりゼロからフローを作る必要はありません。
Googleフローのホーム画面には、
たくさんのテンプレートが並んでいます。
例:
- 未読メールの毎日の要約を取得するフロー
- 重要な人物からのメールを通知するフロー
- AIニュースを毎日メールで届けるフロー
最初は、テンプレートを開いて、
「どんなスターターとアクションで構成されているか」を眺めるだけでも勉強になります。
テンプレートを少し編集して、
- 実行時間を変える
- 通知先のチャットスペースを変える
- 要約条件を変える
といった小さなカスタマイズから始めると、
仕組みへの理解が一気に深まります。
ステップ3:自分の仕事に合わせたフローを1つだけ作る
テンプレートに慣れてきたら、
自分の業務に合わせたオリジナルフローを1つだけ作ってみます。
おすすめは、次のようなテーマです。
- 「特定のクライアントからメールが来たら、内容を要約してチャット通知」
- 「日程調整フォームの回答が届いたら、カレンダーに予定を自動登録」
- 「社内の問い合わせフォーム→担当者チャット通知+自動返信メール」
最初から完璧を目指さず、
毎週必ず発生する単純作業を1つだけ自動化するイメージで進めると挫折しにくいです。
小さな自動化が、時間と集中力を取り戻す
最後に、この記事全体で伝えたいポイントをまとめます。
主張1:AI時代の「本当の差」は、ツールを知っているかどうか
AIツールの名前を知っているだけでは、仕事は変わりません。
差がつくのは、
毎日のルーティンをどこまでAIと自動化に任せられるか
という部分です。
Googleフローは、メールと予定のような「地味だけど時間を奪う作業」を減らすための、実戦的なツールです。
主張2:自動化は「壮大な仕組み」ではなく「小さな面倒」から
「全部の業務を自動化しよう」と考えると、必ず止まります。
- 毎週同じメールを送っている
- 毎回、同じように日程をカレンダーに入れている
- フォームの回答を見て、手作業で転記している
こういった小さな作業を、1つずつフローに置き換えていくことが現実的なアプローチです。
Googleフローなら、
最初の1本目も、修正も、追加も、画面操作だけで完了します。
主張3:メールと予定の自動化は「働き方のチューニング」
メールと予定にかかる時間が減ると、
- 集中して考える時間
- 顧客と向き合う時間
- 自分のスキルを磨く時間
に余裕が生まれます。
Google Workspace Flowsは、
単なる「便利機能」ではなく、
働き方をチューニングするための土台だと言えます。
まとめ
- Google Workspace Flowsは、Googleサービス同士をつなぐAI付き自動化ツール
- Gmailとカレンダーを中心に、メールと予定のルーティンをノーコードで自動化できる
- テンプレート活用→小さなフロー作成の順で進めると、初心者でも迷わない
- AI Geminiを組み込むことで、「転記」だけでなく「要約」「抽出」「文面作成」まで任せられる
「毎週同じことをしているな」と感じる作業を、1つだけ選んでください。
その作業をGoogleフローに任せるところから、AI時代の働き方アップデートが始まります。

