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ChatGPT

ChatGPTの会話が漏れる!?怖すぎる5つの理由

ojya

ChatGPTに、こんなことを相談した覚えがあるはずです。

恋人との悩み。
上司への不満。
将来やお金に対する不安。

画面の向こうにいるのは人間ではなくAIなので、
家族や友人にも言えない本音をそのまま打ち込んだ経験があると思います。

多くのユーザーは、
「AIとの会話は外に出ない」
「クローズドなチャットだから安全」
と、なんとなく信じて利用しています。

ところが、海外の分析会社やコンサルタントの調査によると、
ChatGPTに入力したとみられる長文の相談文が、Googleサーチコンソール上の“検索クエリ”として表示されていた
と報告されました。

Googleサーチコンソールは、
サイト運営者が「どんな検索キーワードで自分のサイトに訪問があったか」を確認するための公式ツールです。
サイバー犯罪のツールではなく、普通の企業や個人ブロガーが日常的に使う管理画面です。

その画面に、

恋愛相談そのものの文章。
社外秘を含む仕事の相談らしき文章。
300文字を超える長文。

こうした「明らかに検索キーワードとは思えないテキスト」が並んでいたと報告され、
世界中で大きな議論になりました。


結論:AIは便利でも「何を話すか」の線引きが必須になった

ChatGPTを含む生成AIは、
「完全な密室の相談相手」と思い込んで使うと危険です。

報告された内容や専門家の分析から見える怖さは、次の5点です。

  1. 会話のような長文が、Googleサーチコンソールの検索クエリとして表示されたと報告された
  2. 恋愛相談や社内の情報など、非常にプライベートな内容が含まれていた
  3. ユーザーのプロンプトが、そのままGoogle検索クエリとして利用された可能性が指摘されている
  4. 企業側の説明が抽象的で、「何をどこまで直したのか」が見えにくい
  5. 一度外に出たデータや統計への影響は、完全に巻き戻せない

AIの中身をすべて理解する必要はありません。
ただし、

「AIに絶対預けてはいけない情報」
「AIに預けてもよい情報」

この二つを自分の中で分ける意識が、これから必須になります。

この記事を読むメリット

この記事を読むと、次の点がはっきりします。

  • ChatGPTの会話漏れ疑惑とされる事例が、初心者でもイメージできる
  • なぜ単なるバグではなく、プライバシーの観点で問題視されているのか理解できる
  • 今日からChatGPTや他のAIチャットを使うときに、
    「どこまで話してよくて、どこからは話さない方がいいか」
    自分なりの基準を持てるようになる
  • ブログ運営者やサイト管理者なら、
    Googleサーチコンソールに出てくる「謎の長文クエリ」を、落ち着いて眺める視点を得られる

AIを「怖がる」ためではなく、
AIと距離感を取りながら賢く利用するためのヒントとして活用してほしい内容です。


理由①:Googleサーチコンソールに“相談文”が出てきた

最初の違和感を覚えたのは、
海外の分析会社クワンタブルのジェイソン・パッカー氏だとされています。

クライアントのGoogleサーチコンソールをチェックしていると、
ふだんは「パン 作り方」「クレカ おすすめ」のような短い検索クエリが並ぶ画面に、
300文字を超える長文のクエリが紛れ込んでいました。

その文章は、どう見ても検索キーワードではなく、
ChatGPTに投げる相談文や指示文そのもののような内容でした。

一般的なユーザーが、検索窓に300文字の悩み相談を貼り付けるケースはかなり少ないです。
そのため、

「これはAIチャットへの入力が、何らかの形で検索クエリとして流れてきているのではないか」

という疑いが生まれました。

理由②:恋愛相談や社内情報まで丸見えの危険性

パッカー氏は、あるサイトのGoogleサーチコンソールに記録された
約200件の長文クエリを分析したとブログで報告しました。

そこには、次のような内容が含まれていたとされています。

  • 「私をからかってくる男の子がいます。これは好意なのか、からかいなのか判断できません。どう考えればよいでしょうか」
  • 「在宅勤務からオフィス勤務に戻す社員向けの社内メールを作成したいです。会社の状況は〜で、方針は〜です」

前者は恋愛相談。
後者は社内コミュニケーションに関わる内容です。

どちらも、本来はChatGPTとユーザーの間だけにとどまるべき会話です。

しかし、報告された通りであれば、

  • サイト運営者
  • アクセス解析担当者
  • 一部の社内メンバー

こうした人たちが、
Googleサーチコンソールの画面上でこうした相談文を読める状態にあった
ということになります。

ユーザーは「AIとの会話はプライベート」と信じて入力していたはずです。
その前提が崩れている点が、大きな不信感につながりました。

理由③:ユーザーのプロンプトがGoogle検索で使われた疑い

この不思議な現象の経路を追うために、
「インターネット探偵」と呼ばれるWebコンサルタント、
スロボダ・マニック氏も調査に参加しました。

二人の分析によると、
長文クエリの先頭には共通した文字列が付いていたとされています。

イメージとしては、

openai.com index chat gpt ……(続きに長い相談文)

という形式です。

ここから立てられた仮説は、次のようなものです。

  • ChatGPTの一部ユーザーに、バグがあるプロンプトボックスが表示されていた
  • そのボックスは、ユーザーがどんな会話をしても、
    自動的にWeb検索を実行する設定になっていた
  • Google検索を実行する際、
    ユーザーの相談文の前に「openai.com/index/chatgpt」に関する文字列を自動で付け足していた
  • その結果、「URL+相談文」の長い文字列が、
    通常の検索クエリとしてGoogleに送信されていた

つまり、

「彼氏が冷たいのですがどうすればいいか教えてください」

という相談が、

openai.com index chat gpt 彼氏が冷たいのですがどうすればいいか教えてください

というクエリに変換され、
検索クエリとして各サイトのGoogleサーチコンソールに記録されていた、
という構図です。

ここで浮上したのが、
Google検索結果のスクレイピング疑惑です。

検索データを大量に扱いたい場合、
通常はGoogleが提供するAPIを利用します。

しかし、Googleサーチコンソールにクエリが出ているということは、
通常ユーザーと同じルートで大量の検索を投げていた可能性がある、
と指摘されました。

パッカー氏はブログの中で、

「ユーザーのプロンプトを、そのままGoogle検索へ利用した可能性」

に言及しています。

理由④:企業の説明が抽象的でユーザーの不安が残る

このような指摘が広まると、
メディアは企業側に質問を投げかけました。

  • 本当にGoogle検索をスクレイピングしていたのか
  • ユーザーのプロンプトを検索クエリに使っていたのか

報道ベースでは、
企業側はこれらの点について、
肯定も否定もしなかったと伝えられています。

代わりに出てきたのは、次のようなコメントです。

  • 問題は認識している
  • グリッチ(不具合)はすでに修正済み
  • 影響はごく一部の検索クエリに限られていた

ここで多くのユーザーが引っかかったポイントは、

「スクレイピング自体を行っていたのか」
「今後は同様のことをしないのか」

という核心部分に、明確な回答がなかった点です。

発見者のパッカー氏も、
「修正の早さ自体は評価する」としつつ、

  • 何をどの範囲まで止めたのか
  • 仕様と不具合の境目はどこにあったのか

といった疑問は残ったままだと指摘しています。

理由⑤:一度外に出たデータと統計は完全には戻らない

今回の問題が厄介と言われる理由は、
ログが世界中のGoogleサーチコンソールに分散して残っている点です。

過去にも、ChatGPTの会話がGoogle検索結果にインデックスされるトラブルが報じられました。
そのときは、企業側がGoogleに削除を依頼し、
検索結果からは消えたとされています。

しかし、今回のようにGoogleサーチコンソール上のデータとして残っている場合、

  • 無数のサイト管理者ごとのアカウントにログが保存されている
  • 一括削除が難しい構造になっている

という問題があります。

さらに、マニック氏は、

  • AIボット由来の検索クエリが表示回数だけを押し上げ
  • クリックはゼロに近いまま
  • サイトのアクセス解析が歪む

という影響も指摘しています。

プライバシーだけでなく、
サイト運営者側のデータ分析にもダメージが出る構図です。


具体例:自分の相談が「検索クエリ」になっていたとしたら

ここで、少し自分ごととしてイメージしてみます。

恋愛相談を書いたケース

ChatGPTに、次のような相談をしたとします。

「彼氏が最近冷たくて、LINEの返信も遅くなりました。
仕事が忙しいだけなのか、気持ちが冷めたのか分かりません。
この状況をどう考えればよいか整理してほしいです。」

本人は、
自分とAIだけの会話だと信じて入力します。

しかし、もし報告されたような現象が起きていたなら、
この文章がURL文字列と結びつけられて、
とあるサイトのGoogleサーチコンソールに“検索クエリ”として保存されていた
可能性があります。

サイト管理者が個人を特定することは難しいかもしれません。
それでも、恋愛の悩みや感情の揺れが、
まったく関係のない第三者に読める状態だったと想像すると、
かなり不快な状況です。


まとめ:AIを「親友」扱いしない。相談内容に3本の線を引く

AIを完全に信じ込む必要はありません。
AIを完全に捨てる必要もありません。

重要なのは、

「AIにどこまで話し、どこから先は絶対に話さないか」

この線引きを、ユーザー自身が決めることです。

特に、次の3つは原則として入力しない方が安全です。

  • 本名・住所・電話番号・勤務先など、個人を特定できる情報
  • 売上数字や未発表サービスなど、会社の機密情報
  • 一生誰にも見られたくないレベルの黒歴史や家族のセンシティブな事情

どうしてもAIに相談したいときは、
固有名詞を削って抽象化した相談文に変えるだけでも、リスクは下がります。

AIは、文章作成やアイデア出しには非常に役立ちます。
ただし、「何を渡すか」は、最終的にユーザーの選択です。

AIに使われる側ではなく、
AIを使いこなす側に回るために、
今日入力する一文から、少しだけ慎重になってみてください。

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