ショートカットキーは覚えてはいけない?―マウス操作を順次キーボードに置き換えていく―
「Ctrl + C」「Ctrl + V」……誰もが一度は使ったことがあるであろうショートカットキー。
ネットには「これを覚えれば作業が10倍速くなる!」という情報があふれています。
ショートカットキーが便利な仕組みであることは、言うまでもありません。マウスでメニューやリボンのあちこちをカチカチするよりも、キー操作1つで済ませるほうがずっと簡単で、短時間で作業が終わります。そのため、「ショートカットキーを覚えて使いこなすだけで時短できる」と喧伝されることがあります。
でもちょっと待ってください。本当に“覚えること”が正義なのでしょうか?
1.ショートカットキー信仰の落とし穴
ショートカットキーはたしかに便利です。ですが、全てを覚えることに必死になってしまうと、本来の目的――つまり「成果を出すこと」や「本質的な仕事」に集中できなくなってしまうことも。
毎日頻繁に利用するものであれば、ショートカットキーによる時短効果は大きいですが、使用頻度の低いものまで覚えても時短には大して影響がありません。
普段あまり使わない機能のショートカットキーを覚えたとして、それを何度使うでしょう?月に1回あるかどうかの操作に、時間をかけてキーを覚える意味があるのか、ちょっと立ち止まって考えてみるべきです。
2.「覚える」より「探す・見つける」スキルの方が大事
現代は検索すればすぐに情報が出てくる時代。必要なときに、必要なショートカットをサッと調べて使える柔軟性の方が、100個のキーを暗記するよりよっぽど価値があります。
むしろ、ショートカットキーを“完璧に覚えよう”とする姿勢は、かえって非効率。キーを探す時間をかけてしまうくらいなら、ツールバーからクリックした方が早いこともあるのです。
3.「覚えてはいけない」とはどういうことか?
もちろん、よく使うショートカット(例えばコピーや貼り付け、保存など)を自然に覚えるのは構いません。でも、意識的に「全部覚えよう」とするのはナンセンス。
むしろ、「覚えないことに慣れる」「調べながら使いこなす」というスタイルが、今の時代には合っているのです。
実際の現場では?
現場のプロでも、全部のショートカットキーを覚えている人なんて稀です。みんな使いながら、試しながら、効率的なやり方を“その都度”選んでいます。
「どのキーを押すんだっけ?」と1秒悩むくらいなら、その1秒で検索すればいい。調べた情報は記憶に残る可能性も高く、次に使うときには自然と身についているかもしれません。
まとめ(記憶より、柔軟性を。)
ショートカットキーは、「知っていると便利」なものです。
日々の作業で頻繁に行っているマウス操作を、キーボード操作に置き換えることで、確かな時短効果が期待できます。
しかし、それらをすべて覚えようとする必要はありません。
本当に大切なのは、“必要なときに必要な操作を見つけ出す力”。その柔軟さこそが、あなたの仕事力をより高めてくれます。
効率化のために始めたはずの取り組みが、いつの間にか「効率」に縛られていませんか?
一度、立ち止まって見直してみましょう。
“覚えない勇気”が、あなたをもっと自由に、もっと柔軟にしてくれるはずです。