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AI

考える×行動するAIへ:ReActプロンプトで導く高度な問題解決法

ojya

AIにもっと「考えさせ」、そして必要なときには「行動させる」。
そんな次世代の対話システムを実現するテクニックが【ReActプロンプト】です。本記事では、Reasoning(思考)と Acting(行動)を交互に繰り返すReActの仕組みをわかりやすくご紹介。
「思考だけ」「行動だけ」の2極から進化したこの手法は、複雑なタスクや外部情報との連携に強く、AIをより“エージェント的”に活用できるようになります。

まずは基本構造から、「なぜReActが注目されるのか?」という点まで、初心者にも理解しやすい流れで解説します。

ReActプロンプトとは何か?

ReActは「Reasoning(思考)」と「Acting(行動)」を交互に繰り返すプロンプト設計手法です。AIに「考えて→必要なら行動して→結果を観察→再度考える」というサイクルを踏ませ、複雑な問題や外部情報との連携にも対応できるエージェント型の能力を引き出します。


従来手法との違い

  • Chain‑of‑Thought(CoT):思考の流れに強いが、内部知識だけに依存し、現実の情報を取得する力は弱い。
  • Action‑only:外部ツールや検索ができるが、思考なく行動すると失敗しやすい。

ReActはこの両者の欠点を補い、思考と行動を連携させることで信頼性と柔軟性を高めています。


ReActの基本ステップ

  1. Thought(思考):次にやるべきことを内省する
  2. Action(行動):ツール検索・検索など具体的なステップを実行
  3. Observation(観察):行動の結果を受け取る
  4. Thought⇄Action をループ:必要に応じて繰り返す
  5. Answer(答え):最終的な結論を提示

この繰り返しにより、AIは動的に学びながら問題を解決していけます。


性能と用途

  • 高精度な質問応答:外部検索も交えて回答することで、CoTよりも事実誤認が少なくなる。
  • 意思決定タスク(ALFWorld, WebShopなど):複数ステップの処理や環境操作に強く、Action‑onlyやCoT単体を上回る成果を出しています。
  • 可読性と説明性の向上:思考過程が透明になることで、結果の信頼度や誤りの特定が容易です。

ゼロショット/few-shotの実装

  • ゼロショット:フォーマットだけを指定し、例は示さない。指示に基づいて動作させる最もシンプルな形。
  • Few-shot:事前に実行例をいくつか提示し、モデルにパターンを学習させて応用させる手法。

活用例:カスタマーサポート対応

ケース:「発送遅延」のクレーム対応をAIに任せる

Thought:「顧客は不安や不満を抱えていて、迅速かつ誠実な対応を求めている」
Action:「現在の発送状況を確認し、想定到着日を提示」
Observation:「システムで出荷済みと確認」
Thought:「次はフォローアップが重要」
Action:「謝罪+再発送や返金など改善案を提案」
Observation:「仮の顧客反応(例:返金希望)」
→この先、さらにReActループで対応を最適化していく。


ReActの利点まとめ

特徴    内容
柔軟な知識活用内部推論+外部情報による補完
動的かつ再構築可能結論に至る前に修正・分岐対応が可能
可視化された思考過程誤り原因が明確で、説明しやすい

こんな場面におすすめ

  • 複雑な分析や多段階処理が必要なタスク(例:問題の分解と判断)
  • 外部情報取得が前提の処理(例:最新情報、検索の活用)
  • 透明性が求められる用途(例:意思決定支援、顧客対応)
  • AIをアシスタントやエージェント的に活用したいケース

終わりに

ReActは「考える」だけでも「行動する」だけでもない、新しいAIとの協働の形です。適切に設計すれば、ChatGPTを単なる回答ツールから、思考し実行するパートナーへと進化させられます。まずは小さなタスクから導入し、効果を体感してみましょう!

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